公契約における労働条項に関する条約

2011.12.17

ILOは、一九四九年に「公契約における労働条項に関する条約」(九四号)を採択し、いまでは六〇か国が批准し、公契約を通した公正労働基準の確立が目指されてきた(日本は未批准)。だが、最近のグローバル化と市場統合政策は、九四号条約が定めているような労働条件規制を貿易障壁と認識させるようになっているようだ。EUでは、二〇〇一年の指令で、公契約を締結する条件として、(1)失業者を雇用すること、(2)男女間の平等や人種的・民族的多様性を促進させること、(3)契約の履行期間中ILOの基本条約に定める内容を充足すること、(4)多数の障害者を採用すること、を義務づけている。

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しかし同時に、他国の事業者に差別的でないことも求めている。あくまで国境を越えた人やモノの移動を妨げない範囲に限定されるべきで、取引への参入を差別的に排除する条件の設定は許されないという。しかし、公契約が義務づける労働基準がより低い基準で働くことを許容する他国の企業や労働者の参入を妨げるようなケースを差別というなら、公正労働基準が競争と淘汰の論理に呑み込まれてしまう。